生姜(しょうが)について 
about ginger

生姜・しょうが 【生姜科・多年草植物】

中国では、紀元前から栽培され、香辛料、薬として重用されてきた。漢方の生薬のひとつで、生薑【ショウキョウ】と読む。生姜はそれを略したものだそうだ。

渡来時期は定かでないが、和名を、【くれのはじかみ】といい、平安時代の「延喜式」には、その栽培方法、保存法も記されている。

江戸初期の本草書「本朝食鑑」には、(近ごろ新しい根を生梅、シソの葉と一緒に塩づけにして年を経たり、あるいは味噌漬け・粕漬・蜜漬けにしたりする。また老薑は、日に乾かして貯蔵しておき、薬として服する。旅の具としている)とある。江戸時代の人たちは、梅干に漬けて日々愛用し、乾生薑をもって旅をしたのだ。

参考資料:サライ(2003 盛夏特大号)より 一部抜粋

 
生姜の効能

古くから漢方薬としても用いられる生姜。食欲増進(消化吸収を助ける)・毒消し・殺菌効果・解熱・風邪・のど・腹痛に効く。体を温めるので、冷え性にも効く。
 

 

出西生姜の起源、出西生姜とは
shussai-ginger

出西生姜出西生姜は、島根県出雲市斐川町出西地区の限られたしょうが畑で栽培された生姜です。繊維の少ない生姜で、風味、香りが大変よく、出西生姜独特のピリっとした辛味が特徴です。

出西生姜の起源は、出西村が海に面していた遠い遠い昔のこと、九州方面から一個の御神体が漂着したのでこれを八幡宮として際祀したが、まもなくその社の辺りに生姜が繁茂し始めたのでそれを種として栽培したのに始まるという。

されば以前は『生姜際』といって毎年四月の上旬の植えつけ前に、栽培予定地の土と種生姜とを八幡宮の境内に持ち寄って盛んな祈年祭を行ったが、この行事は何時しか廃止されてしまった。

出西生姜の採取時期は十一月だが香気のもっとも高い時期は八、九月頃である。

出西生姜は単に風味が優れているばかりではなく、『娘やるなら出西郷へ、生姜の匂いで風邪ひかぬ』と唄にさへ唄われている通り風邪薬としても特効があるので、昔は近国の諸大名に献上物として非常に賞賛され、又何ヶ月掛かりで各所に行商もしたが、現在は組合でとりまとめて山麓あるいわ床下に設けた穴蔵に貯えるほか、砂糖生姜、生姜漬、生姜味噌、櫻生姜などは勿論一般の料理にも使用するので、年産額は四百貫にも上回るけれどもむしろ品不足の状態であり、殊に近年は度々の水害と栄養の隆盛にともなって著しく減産の傾向にさえもある。

如何なる生姜でも出西村へ移植すればかならず繊維も小さくなり、切り口が白化するなど出西生姜の特性を持つようになるのも不思議である。

参考文献: 島根民藝録/出雲新風土記 行事の巻・味覚の巻
 

 

出西しょうがを使ったレシピ
recipe

生姜の風味の効いた、炊き込みごはんです。

炊き込みごはん材料(4人分)

  • 米 2カップ
  • 調味料A 
    ・塩  少々  
    ・うすくち醤油 小さじ2 
    ・酒  大さじ2  
    ・みりん  小さじ2  
    ・出西生姜  30g  
    ・サラダ油  小さじ2 
    ・だし昆布  約10cm 
  • 作り方
  1. 米はといでザルにあげる。
  2. 出西しょうがはみじん切りにして水にさらし、塩でもみ、合わせ酢の中にしばらくつけて、しぼる。
  3. (1)の米にAの調味料と水を入れて炊く。(水量は、普通のごはんより心もちひかえる)
  4. 炊き上がったら、さっくり混ぜて出来上がり。